<釜山国際映画祭>巨匠・新鋭に幅広く光…注目の作品は?(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.03 12:09
釜山(プサン)の季節、映画祭の季節がやって来た。今年で第19回を迎える釜山国際映画祭が2日、10日間の日程でスタートした。映画祭の開幕作『軍中楽園(Paradise in Service)』(鈕承澤監督)は、中国本土と対立していた1960年代の台湾を背景にした映画だ。軍中楽園と呼ばれる軍営内の公娼で、売春女性らとの愛に落ちる兵士たちの話を穏やかに描き出した。公娼で売春婦の管理業務を担当することになった新兵パオ(阮經天、イーサン・ルァン)が、そこで働く女と愛に落ちる話を中心に、周辺人物の描写にも力を込めた。何よりもその時代の悲劇に細やかに光を当てて、運命に逆らえなかった人々を温かい視線で眺めた点が引き立つ。
メガホンを取った鈕承澤監督はもともと俳優から始めて『Monga(モンガに散る)』(2010)、『愛(LOVE)』(2012)など多彩なジャンルの映画を手がけてきた監督だ。4本目の長編映画で釜山を訪れた彼は、この日に開いた記者会見で「韓国人と中華民族は似たような歴史的苦痛を体験した。映画の中の時代問題、その中で互いに恋しがるしかない運命を迎えた主人公の心を最もよく理解する人々も2つの民族だ思っている」と所感を明らかにした。イ・ヨングァン執行委員長はこの作品について「私たちの過去だけでなく今現在とも関係がなくはない主題」として「釜山国際映画祭がアジアの疎通と和解、そして癒しをもたらす場であるから、開幕作としておあつらえ向きの作品」と説明した。